こんにちは!日曜日の静岡、し~~~んと言う音が聞こえそうなくらい静かです。
今日はお店にいらっしゃるお客さまによく聞かれる質問について、書きたいと思います。

『現地に買い付けに行くんですか?』

私が商品の説明や作り手たちの暮らしぶりのことなどをお客様に説明すると、よく聞かれます。

お店を始めてもうすぐ10年なのですが、これまで1度も買い付けに現地に行ったことはありません。
行かない理由は私なりにあります・・・

開発途上国の多くは、長い間植民地でした。私が11年滞在したスリランカも何と450年もの間、植民地を経験しています。その間、統治していた国に従うことで自身や家族が安全に暮らすことができました。現地の人たちと一緒に仕事をしていてこんなことがありました。

依頼したことがなかなか進まず、催促をしてもなんだかのらりくらり、できない理由ややりたくない理由がはっきりせず時間ばかりが経過していきます・・・何度催促しても同じ・・・

植民地時代は「No」と言うことが、許されなかった状況があったのでは・・・と思います。そんな経験が、彼らの処世術になったのかもしれません。

そこで、私はフェアトレード生産者グループと商品作りなどでやり取りするときに、「こうしてほしい」とか「日本用ならこうする方が好まれる」と言うようなことは言いますが、具体的な手順や作業の仕方は彼らのやり方に任せます。

また、課題が見つかった時には、その事象を詳しく説明をし、対応策を考えてもらいます。私の方から詳細の対応策を指示することはほとんどありません。

どうしたら今井が言っていることが実現できるのか彼らが自ら考え、方法を見つけ出し対応してくれるようになります。なかなか1度ですべての問題が解決することはありませんが、時間をかけ丁寧に、そして辛抱強く待つことで、生産者も私も双方が満足のいく結果を導きだすことができます。

時には1つの商品が完成するまでに3年くらいかかってしまうこともあります(長すぎ・・・💦)が生産者グループとの信頼関係が構築され、私が求めているものを深く理解してくれることにつながるので、結果として、その後の商品作りによい影響がもたらされると信じています。

現に、ペルーのアルパカ製品を作ってくれているグループとは、10年前は何度も何度もやり直しをして、途中で編み手さんたちが

「もうやりたくない!!やり直しばっかりで、いつになったらオーダーがくるの?!?」

と、空中分解してしまいそうになりましたが、それでもコミュニケーションをしっかりととりながら、編み手さんたちのモチベーションをあげつつ、コーディネーターのマリアには知恵を絞ってもらって、何とか1つの商品が完成しました。今では、新商品のアイデアを依頼すると、マリアから「こんなのはどう?」と提案をしてもらえるようになりました。

私が現地に飛んで、生産者グループへ直接こうして、あーしてと指示を出すことで、短期間に簡単に商品が完成できるのかもしれませんが、きっと今のような生産者グループとの信頼関係が構築できたかどうかわかりません・・・

そしてもう1つ私が強く願っているのは、いずれはフェアトレードではなく、自分たちの力で世界のマーケットで認められる商品作りができるようになること。そのためには、自ら考えて実行することが必要不可欠です。もどかしいコミュニケーションの中で相手が何を欲しているのか、どうすればより良い結果を導き出せるのか、お互いが考えて1つの目的に向かって進んでいくことが大切かな・・・と思っています。

海外での暮らしが懐かしく、時にはまた行きたいな~って思うこともありますが、フェアトレードの仕事をライフワークにすると決めたので、もうしばらくは静岡で生産者とお客様をつなげる役目を担っていきたいと思います。

ちょっと熱く語ってしまいましたが、SkypeやWhat'sAppなどの仕組みを使うと、とっても便利に簡単に意思疎通ができるんです💦

世界各地のフェアトレード生産者の皆さんが身近にある素材を昔から伝わる方法を活かして手作りしているお品がTeebomの店内にはたっくさんあります。ぜひ、見に来てくださいね~!