こんにちは、Teebom店長のイマイナホコです。
今日は、清水区にある蒲原生涯学習交流館で出張セミナーをしてきました。

何と対象は小学生!「フェアトレード」や「SDGs」って言葉はまず知らないだろうな~
開発途上国についての説明をした方がいいかな・・・と事前に小学校の教員をしている知人に
小学高学年の子供たちの知識について教えてもらいながら、資料を準備しました。

ずっと私が話し続けるのも、厳しいだろうな・・・と思い、学校の授業のように
1時間目、休憩、2時間目とカリキュラムを分け、更に、2時間目はワークショップを行い
楽しんでもらえるようにもしました。

ところが・・ガガ~~ン プロジェクターに資料を映し、タイトルを読んでもらおうとしたら

「かいはつ・・・ええ??かいはつ、なになに くに??フェア・・・」
「開発は読めるけど、その先の漢字が分からない??何、なんて読むの?」

あらら・・・「開発途上国」が読めないんだ、もちろん意味も知らないんだ・・・💦💦💦
一瞬目の前が真っ白くなり、この先どう進めたらよいのかわからなくなりました(笑)

セミナーを始めてまだ1分も経っていない中での出来事でしたが「じゃあ、まずは『かいはつとじょうこく』についてお話しますね」と事前に準備した段取りはとりあえず、なかったことにし、そこからは、ほぼアドリブ💦💦

加えて、集まってくれた小学生たちは、『ペルーのビーズでアクセサリー作り』と言うワークショップに参加をしに来たので、開発途上国やら、児童労働やら、フェアトレードやら・・・何が何だか彼らも私同様、途方に暮れている様子・・・

私が「じゃあ、今から南米ペルーの人とテレビ電話でお話をするけど、外国に興味はある?どこかの国に行ったことがある?」と質問したら、

「ない、ない、行きたくない!!」

「日本が一番!外国には行きたくない!!」

「飛行機に乗っていくなんて、危ない!!!」

「日本が一番安全」

新型コロナウイルスの影響もあるのでしょう・・・

子供たちが口々に言い始め、私は再びフリーーーズ

主催の方から事前に「英語を習っている子がいます」と聞いていたのを思い出し、
「じゃあ、なんで英語習っているの?英語ができると、何ができるの?」と質問すると

一人の女の子が、「外国の人とコミュニケーションできる」

私が「コミュニケーションができると??」

その子が「友達になれる!」と連想ゲームのような会話をし、他の子供たちもやっと、ああ~そうかも・・・という表情をしてくれました。

それではペルーのマリアさん、ヘラルダさんにつなぎますね!!

マリアが「おはようございます」と日本語であいさつをしてくれました。

子どもたちは自然に「おはようございます」とあいさつを返してくれました。

私がマリアに「おはようございますは、スペイン語でなんていうの?」

マリアが「ブエノス・ディアス」と言うと

子どもたちが、ちょっと自信なさげに「ブエノス・・・」

それを聞いたマリアが大きめの声でゆっくりと「ブエノスディアス!」

子どもたちが元気に「ブエノスディアス!!」

そしてヘラルダが、アマゾンのジャングルの木の実から作ったビーズを手に取って
その木の実の名前や、どうやって作っているのかを簡単に説明してくれました。

子どもたちは、これから自分たちがやるワークショップに近づいてきていると思ったのかだんだん、画面に集中して、話を聞いてくれるようになりました。

マリアやヘラルダはセーターやマフラーを身に付けている。ペルーは今、冬。

今日は土曜日だけど、日本とは14時間の時差があるから、まだ金曜日。

日本語でもなく、英語でもなく、スペイン語。

何だか不思議・・・そんな遠くの人と話をして、その人が作ったビーズがここにある??

もしかしたらちょっと楽しいかも・・・と私は勝手に子供たちの気持ちをそんな風にとらえていました。

休憩が終わり、いよいよ待ちに待ったワークショップ。
1時間目とは目の輝きが違います!

ワークショップを担当してくれている根橋先生が前に出て、作り方の説明をしました。
しっかりと前を見て、根橋先生の説明を聞いています。すごい集中力です!

いよいよ、各自ビーズを選んで、作業を始めます。

ちょっと密になってしまいましたが、熱心にビーズを選んでいます。

「私、これがいい!」

「色の組み合わせがかわいいね!」

「どれがいいかな~迷う!!」

女子たち!とっても楽しそうです。

なかなか決めかねているようでしたが、みな気に入ったビーズセットが見つかったようです。

ちゃんと説明を聞いていたので、みんな迷いなく作業を始めました。
多分、サンプルと同じように作るんだろうな~って思っていたのですが、
1人の子が、「私はこのビーズとビーズの間隔を開けて作りたい!」
「じゃあ、こうしたらいいんじゃない!!」とオリジナルのブレスレット作りを始めました!

麻紐と木の実のビーズを小さな手で器用に扱い、みんなあっという間に完成!

ほんとによくできたので、写真を撮らせてと言ったら、「じゃあ、星を作ろう!」って!!

自分で作ったブレスレットがとても気にったようで、写真を撮り終わった後もみんなの腕にはブレスレットが!!

最初は日本がいい!!外国なんて行きたくない!!なんて言っていた子たちも電話で話をしたヘラルダさんが作ってくれたビーズを使って、自分だけのブレスレットができたことに満足しているようでした。

私が、「今、着ているシャツやスカートはどこの誰が作ってくれたものわかる?」と聞くと

「わからない・・・」

一人の女の子が、「布は誰が作ったかわからないけど、おばあちゃんが縫ってくれた!お気に入り」

私が、「今日、みんなが作ったブレスレットは、時差もあって、季節も、言葉も違うペルーと言う国のヘラルドさんが作ってくれたビーズを使ったよね、どう?」

「すごく遠いのに、知っている人が作ってくれたものだって思うと、なんだかちょっと不思議・・・」

ペルーは、とっても遠い国だけど、英語やスペイン語ができると話ができて、友達になれるよね。
その友達が困っていたら、どう??と、即座に「助けてあげたい💛」

開発途上国も、フェアトレードも、SDGsも、ちゃんと説明できなかったけど、参加してくれた小学生たちは、何かを理解してくれた様子。

実は講座の途中で、私がちょっと意地悪な質問をしました。
「もし、あなたの家がとても貧しくて、お父さんやお母さんから、『お金がないから、学校に行かないで、働いてくれる?」って言われたら・・・

『働く・・・』 どの子もそう答えました。
子どもたちは、困ったような表情を浮かべながらも、考えて『働く』って・・・

そうです。子供たちは、自分が信頼をしている大好きな人からそう言われたら、そうなんです。そう答えるし、そうするんです。

だから、大人がしっかりしないといけないんです。大人の責任です。
親でない大人にももちろん責任はあります。社会全体のこと、世界全体のことだと思います。

意地悪な質問で、子供たちを困らせてしまいましたが、私は子供たちの答えから、
私も大人としての責任をしっかり果たしていこうと、改めて思いました。

始めはどうなることかと思いましたが、ペルーのマリアやヘラルダ、ワークショップを担当してくれた根橋先生、生涯学習館の担当の方、それに子供たちのお陰で、何とか無事にセミナーを終えることができました。小学生対象のセミナーは初めてで、まだまだ改善する点もたくさんありますが、実り多い時間を過ごすことができました。ありがとうございました・Thank you!・Gracias!!